近代能楽集 (新潮文庫)/三島 由紀夫
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歌舞伎や能楽にはすごく興味があるくせに、戯曲ってどうも苦手。

なんだか舞台裏を覗いているというよりも、人さまの下着姿を見ているような気恥ずかしさがしてならない。

へんてこりんな心理ですわね^^;。


でも、嫌々読んだ三島由紀夫の「鹿鳴館」 に感動して、この本もどうしても読んでみたかった一冊。
さすが、三島由紀夫だ!

全篇、豪華絢爛な言葉の洪水。

煌びやかな言葉の裏にべたべたと死の香り。

よく、自死した作家の作品を重箱の隅をつつくように嗅ぎ回り、死の影を見つけては自慢気に分析して語る評論家が多いけれど、なんのことはない、ここまで死の足跡を見せつけられると白けてしまうでしょうね。
三島は根っからの自己顕示欲者だった。
かっこよく死ぬために生きる?

そんな馬鹿な。

読んでいて毒気にあてられる本ざます。